むし歯が深くなって歯の神経に達してしまったり、歯を強くぶつけてしまったりすると、歯の神経が炎症、そして感染を起こしてしまうため、神経をとらなければならなくなります。神経がないと「痛むことがなくなっていい」などと思われがちですが、実は様々なデメリットがあるんです。
神経のない歯にはこんなデメリットがある!
「神経」とふだん私たちが呼んでいるのは、正確には血管や神経などを含む「歯髄(しずい)」のことを指します。歯髄を取り除くと次のようなことが起こってきます。
歯が割れやすくなる
歯から歯髄がなくなると、歯に栄養を送るものがなくなってしまいます。そうすると、歯は弾力性を失い枯れ木のようになって、硬いものをかんだり、強い力がかかったりすると割れやすくなります。
歯の色が変色してくる
歯に栄養が行かなくなると、代謝が行われなくなるため、歯の色が黒やグレー、茶色っぽく変色して、見た目が悪くなってきます。
歯の奥にバイ菌が入っても気づかなくなる
神経を失った歯は、再度むし歯ができたり、内部にバイ菌が入ってきても、痛みを感じなくなってしまいます。これはいいことのように感じられるかもしれませんが、バイ菌に対する防御機構が働かなくなっているということですので、バイ菌が繁殖し、根の周囲に膿をためる原因になってしまいます。根の周囲に膿がたまると、強い痛みが出るだけでなく、膿が周囲の組織に広がってしまうこともあります。
このように、歯というのは神経をとると様々なデメリットがあります。このデメリットにより、結局は歯を長持ちさせることが難しくなり、早く歯を失うことにもつながっていきます。歯の神経は大切にしていきましょう。